手に伝う痺れが、腕まで半鐘する。それを振り切るように、そのまま袈裟懸けに切り捨てた。致命傷だ。以前なら知らなかった、命が事切れる瞬間の気配が手にかかる。だがそれさえ引っ掴みながら、既に視界の端には次に切るべき相手が控えていた。
今日の足場はまだ良いほうだ。雲っては居るが、雨はまだ降らない。出来れば勝敗が決するまでは持って欲しい。敵陣の中心部に走り、乱戦が始まれば仲間の所在など分かりはしない。今日は多勢に無勢だ。かなり分が悪いのは、最初から分かっていた。
左手で掴んだ鞘で、斧を一瞬だけ受け止める。だがすぐにそれを受け流すと勢いのついた相手が体勢を崩した。だが、もう一人が背後から飛び掛ってくる気配。振り返り、すぐに刀で咽喉元を抉ると、断末魔は上がらなかった。絶命したそれを蹴り飛ばし、先に体勢を崩した奴が立ち上がる前に、今度は首元から切り捨てた。かっ裂かれた頚動脈から勢い良く血が噴出して、真白の羽織が真っ赤に染まる。鮮血だ。それを見捨てて、さらに乱戦の中央へ走りこむ。
背後から追ってくる気配を感じながら、ギリギリまでひきつける。今だとタイミングを見計らい振り返ると、相手との距離はこちらの間合いの半歩手前だ。振り下ろされる刀に飛び込み下から切り上げると、相手の腕が回転しながら宙を舞った。半テンポ遅れて、悲鳴が耳を劈いた。
「白夜叉だ!!!
白夜叉がいるぞぉおお!!!」
悲鳴とは別に、雄叫びのような声が辺りに響いた。すぐに気配がこちらに集中するのが分かった。あいつらの中では、俺はお尋ね者のように賞金でもかかっているかもしれない。
白夜叉。それは俺の呼び名らしい。俺の本名の坂田銀時など、あいつらは知らない。知る必要もない。あいつらにとっては俺は鬼だ。白い羽織と白い髪(本当は銀髪なんだけどな)で戦場を駆ける鬼。本当に俺が鬼かどうかなんてことは、俺は知らない。
だが、それも悪くない。
「銀時!!!」
声は、桂の声だった。近くにいたのかもしれない。その姿は、既にこちらに向ってくる敵の姿で姿は見えなかった。
「おぅよ!!!」
腹から声を出し、応えた。死ぬわけには行かない。死んでは何も守れない。守りたい。その思いは、尽きることがない。
大切なものを、仲間を、そしてあの人が残したものを。その全てを守りたくて、ただ我武者羅に闘っている。
今は、鬼にでもならなければ、守れないものがある。END
動の描写が書きたくて走り書き。
以前に書いた鬼の夢の白夜叉バージョンって感じかな?
やっぱりイメージは曇天のオープニングより。
いや、あのオープニングの素晴らしさの、足元にも及ばないけどね。
やっぱり戦闘シーンは中々面白いなぁと思う。
・・・下手だけどね。
・・・中々上達せんよな。
まぁ昔に比べれば、これでもよくなったんですよ。
・・・以前はドンだけ下手だったんだって言う話だけどね。
戦闘シーンの難しさは、やっぱりいかに動きを口頭で説明し、更にそのスピードを落とさずに伝えるかっていうことだと思う。
そのために短いめの文章でテンポ良くを心がけています。
でもそれだけだと、のっぺりするから、バランスよく。
その上で、周りの状態やらその空気を織り交ぜるんだもんなぁ。
そしてその中で主人公の感情を織り交ぜていかなきゃならんし・・・。
でもあんまり感情ばっかりだと、戦闘シーンがぶった切れるし。
・・・バランスって大変。
でも実際書いているときは・・・適当に書いているよな。
いや、一応ちょこっとは考えてるんですけどね。
手順は、先に頭の中で第三者的な映像をまず思い浮かべて、それを文章にしていきます。
視点を気にしながら、その人の視界がどんなものかを思い浮かべながら書きつつ修正。
その人の視界に成っているときはスロー再生している感じはするな。
一連の戦闘は第三者の視点で作りきらずに、途中の状態で書き始めます。なぜなら書いてる途中に大体変ってくるから。
この体勢からならこの方がいいなぁ~とか言うのがね。
細かい動きとかは、時折端折ります。
と言うのが私の書き方なんだけど、よそ様ってどうやって書いてるんだろう。
けっこうそれが気になります。
戦闘シーン書き出したのは最近ですね。
動きのある描写は前から書いてたけど。
というか書くように心がけてた。
あとは沖神でもちょっと戦闘シーンも書いてた。
沖神は結構楽しかったんです。
神楽の獲物が傘でしょ。
やっぱり刀とはちょっと変ってくるし、神楽は結構身軽だから縦に飛ばすことも出来るし、体術を織り込むことも可能だし。
身軽な子はやっぱりいいなぁとおもう。
長刀だとまた刀とは違った感じでかけるよなぁやっぱり。
間合いが広いから、それはそれで面白いんだけど。
それはそれでやってみたい。
でも考えてみれば肉弾戦は書いたことない気がするんよね、私。
あぁボクシングはあまり好きじゃないからなぁ。
銀魂はみんな獲物が刀だからなぁ。
銀さんが足技できるから、せっかくだからそれを書いてみたい気もする。
銀さんは結構ぴょんぴょん身軽に飛んでくれるよな。
鎧つけてんだろうっていう白夜叉でもやっているのがすっげぇよ。

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