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日記兼二次小説スペースです。 あと、時々読んだ本や歌の感想などなど。 初めての方は、カテゴリーの”初めての人へ”をお読みください。
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典型的なB型人間。
会社では何故かA型と言われますが、私生活では完全なB型と言われます。
熱中すると語りたくなってしょうがない。
関西在住、性格も大阪人より。
TVに突っ込みを入れるのは止めたい今日この頃。
趣味は邦楽を愛する。お気に入り喫茶店開拓
一人が好きな割りに、時折凄く寂しがりやです。
字書き歴7年近く。
インテリ好きですが、私は馬鹿です。
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初二次は、スレイヤーズで・・・・。
私が、今でも一番好きな作品であり、好きすぎて、ちゃんとかけない作品。
でも今でもこの作品が大好きで、リナは私の憧れでもあります。
きっと、漫画離れしても、コレは続きそうです。

なんですが、初の二次でスレイヤーズの割には、幾分暗めです。
時期は、デモンスレイヤーズ終了後。
続ければいいなと思っています。

実家に居た頃、姉ちゃんの作ってくれた食事は、試験も同じだ。
毒入りの食事が出るのは、我が家ではさして珍しくは無い。
姉ちゃんいわく、女性の嗜みだと言っていた。

死ななかった私を、褒めて欲しい。
そして、出来れば「毒が入っている」と一言言って欲しかった。
まぁ、言えば逃げているが、それにしてもいきなりというのはやめて欲しいかった。
ある程度耐性が出来るように、量は加減してくれていたらしい。
おそらくかなりギリギリの所でだろう。
(アレは、気を抜けば死んでいる)





「この世には、もっと強い毒があるのよ。」



真昼からベットで唸り声。
毒の熱に浮かされて寝込む私の横で、姉ちゃんがいた。
日差しから見て、おそらく今はランチタイムごろのはずで、いつもの姉ちゃんはバイトのはず。
でもきっと今日は、ずっと私の隣にいてくれる。
桶に手ぬぐいを浸しては、繰り返し私の額に乗せて、氷嚢を交換してくれる。
いつも、そう。
毒を盛るのは、姉ちゃんだが、看病してくれるのもいつも姉ちゃん。

憎めなくて困る。

「毒は、神経を、身体を、心を冒す。
 色々な種類の毒があるわ。
 ある程度は、私が教えて上げたつもりよ。」

それはそうだ。
姉ちゃんは、一体どこからそんな知識を仕入れてきたのかと言うぐらいに、知識の豊かな人だ。
まるで知っていて当然とばかりに、多くのことを知っている。
私からすれば、姉ちゃんの知らない毒を見つけることの方が難しい。

「ありがとう・・・って・・・言えないよ。」

荒い呼吸。
身体の中の血が、沸騰しながら全身を全力疾走しているから。

「でも、私が教えてあげられない毒もあるわ。
 どうやって対処すればいいのか。
 貴方は自分で学ばなくてはいけない。」

こんなふうに、看病もしてくれないのかな。
それは、あまりに心細い話。
姉ちゃんが居てくれるから、今だってこうして頑張れるのに。
負けん気と心強さは、いつも姉ちゃんがくれるのに。

「それは、身体も心も冒す。
 一生、心と身体で背負っていかなくてはいけない、そういう類の毒。」

「知ってるんじゃん。」

「知らないわ。」

姉ちゃんの手が、私の瞼を覆う。
私と同じぐらいの大きさの手は、日差しをやんわりと隠す。
水で冷えた姉ちゃんの手が、心地よくて目を伏せた。
この人は強い人で、凄い人だ。
どう足掻いても、この人にだけは勝てる気がしない。

「だから、世間を見てらっしゃい、リナ。
 この世の毒を知りなさい。」



そして、私は、毒を知った。
姉さえ知らないと言った毒を口に含み胃に落とした。



死へのタイムリミットは、すでに秒読みに入っている。




恋道1





「あと何日ぐらいかかるんだ?」

質素なカーテンがライティングにあてられなが、夜風に揺れていた。
毎日の夜と変りもしない夜のこと。
ガウリィが椅子の背もたれに腕と顔を預けているから、ギシギシと軋む音が止まらない。
宿屋の椅子なんて、ガウリィが身体を預けるには、脆いのに、でもけして壊れない。

ズルイ男。
凄い男が。
優しい男がここに居る。

私はと言えば、苦笑いを見せないように、俯きながら依頼料を確認中。
村人から、レッサーデーモン退治を依頼されて受けた。
旅費が苦しかったわけでもなかったが、断る理由が無かった。

「そうねぇ・・・・。
 3日って所じゃない。」

「そっか。」

軽い口調で言えば、ガウリィもそれ以上は追求してこず、部屋の中にはコインの落ちる音が残る。
なのに、私はもうすでに枚数を覚えちゃ居ない。
それほど多い枚数って訳でも無いのに、3日というあまりにリアルな数字が、コインの枚数を忘れさせた。
帰りたくないわけじゃないが、帰りたいわけでもない。
どうしようもなく、恐い。
それでも、それを悟られたくなくて、私はベットにコインを落とす。

ゼフィーリアは、私の故郷。
葡萄が名産で、自然も豊か、永遠の女王が治める統治国家。
私の生まれ、育って、育ててくれた家族の居る場所。
旅の始まりの場所。
私達は、今そこに向かっているのことが、私には不安でたまらない。
そこに居る私の家族。
保護者の居る場所に私達が向かっている。
日毎に機嫌の良くなるガウリィの希望。

「ゼフィーリアか・・・楽しみだなぁ。」

そういって、ガウリィは椅子にもたれたまま目を伏せた。
眠ってしまうのは、解っていたけど、私はそのままそ知らぬふりを続けた。

「そうね。
 美味しいものも一杯あるんだから。」

「リナの育った場所だもんな。」

「そう、私の育った場所。
 今なら、少し涼しいぐらいで気持ちいいのよ。
 きっと私の家族見たら、ガウリィ・・・・」

言いかけて、私はやめた。
ガウリィの寝息が聞こえたから、もう振りも必要ない。
毛布はもう少し後にしておかないと、きっとガウリィが目を覚ます。
出来れば、眠っていて欲しい。
気付かないで欲しい。
もうこれ以上、私を背負ったりしないでと言いたい。
言えるはずも言うだけの度胸も無い癖に、言いたくて堪らない。
今でコレだ。
3日なんて、どうして持つというのか。
矛盾だらけの本音が、今にもこの身をバラバラにしてしまう。

(ガウリィ、貴方は・・・どうするのよ。)






ミリーナとルークは、ガウリィと私そのものだった。
最終的にこちらの世界に戻ってこれたか、これなかったかの違いだけ。
何も変りはしない。
私はルークだったし、ミリーナはガウリィだった。
これからもこの結末は、胸を冒すことはわかっていた。
回避したければ方法は1つだ。

解っている。
頭だけは、答えを簡単にはじき出して、心に落としてくれるのに。
答えは1つだけで、それが最良なことも知っている。


離れればいい。

もう2度と会わなければいい。

立ち直った私が、1人で歩き出せばいいはずだ。

なのに心は選ばない。
仲間を失ったあの悲しみから、私が立ち直れたのは、ガウリィが居てくれたから。
知っていたけれど、私にとって、どれだけガウリィが必要不可欠な存在かを、まざまざと思い知った。
そんな私には、どうやって彼の手を離せばいいのか解らない。

愕然とした。
それまでの私は、仲間を失った痛みを抱え、ガウリィの居る安心感に浸っていた。
初めて故郷に行きたいといわれたときは、幸せな結末を夢見た。
いくらスライムの知力のガウリィだって・・・と。
だが、馬鹿で考えなしは私のほうだ。
ガウリィにとっても二人は仲間だった。
失った悲しみも、きっと私と同じようにあったはずで、最後の戦いを決めたガウリィがそれを裏付けている。
私はガウリィが居てくれたから歩き出せた。
私の重さをガウリィが支えてくれた。

そして気付く。
ガウリィの抱える重みは、一体誰が支えると言うのか。

私が・・・とどうして言えるだろう。
最期のとき、あれほどルークの死を消失を回避することばかり考えた私に、ガウリィが重みを預けてくれるとは思えない。
そして、これが最期の旅になる予感を、私は、はっきりと感じた。

両親の居る故郷に帰れば、彼の保護者としての役目は終わる。
少なくとも、彼も羽休めぐらいは出来る。
そして・・・私と言う重みから解放されれば、彼はまた旅立てる。
たった一人で。
そして、私は彼を失う、永遠に。

一緒にいたいと言えばいいのだろうか。
だが、どうやって言えばいい。
トラブルと魔族とはこれからは縁を切れるのかと言えば、それはきっと難しいだろう。
あの呪文も、そして2体の魔王を倒したことは、これからも私についてまわる。
戦いの中での死という別れも。


つまり、どうしても私は高い確率で、私は彼を失う。


それなら、せめて彼の幸せな道を私から。
彼が私から開放されて、幸せな旅を最後に貴方にあげたいのに。

彼は優しく、ズルイ。
私に恋を落として、恋を知った瞬間に私から取り上げるようとしている。
恋が、人を成長させるなんて、きっと嘘だ。
私は、恋を知って幼稚すぎる自分を知った。
自分の狡さを知って、愚かさを知った。
レッサーデーモン退治は、ただの時間稼ぎ。
そして、今も、彼を起こして、離れたくないと言い、貴方を好きだといいたい。
この旅の後、今度は貴方の故郷に行きたい。
貴方を知りたい言いたい。
困らせることは解っている。
でも知らなくても平気・・・いつか貴方が言ってくれるまで・・・なんてもう言ってあげられない。
貴方に関することを何も知らないなんて、もう我慢できない。
過去も今も、心も全部を知りたい。
たった一つだって、取りこぼしたくない。

でもそれは、彼にまた重荷を増やすと言うこと。
私のこの幼稚な恋心まで、彼に背負えなんて、言えるわけがない。



私の手は、ベットに金貨をそっと下ろす。
感情を飲み込んで、心を静めて、ガウリィを見た。
じっと強い視線を送れば、ガウリィの瞼が開く。

「リナ・・・?」

寝ぼけた声は、いつもの彼の声より少し幼い。
こんな声、出会って直ぐのころは知らなかった。
そんな些細なことさえ愛おしいのに、それは胸の奥で必死に押さえつける。

「ちょっと、私の部屋で寝ないでよね。
 寝るなら、自分の部屋に帰んなさいよ。」

「あぁ・・・・わりぃな。」

ガウリィは、手を組んで上に伸ばして身体をほぐすと立ち上がる。
私はその一挙手一投足を目に焼き付ける。
太い腕の温かいことが思い出されて、心が燃えてしまいそうだ。
呪文で消してしまえればいいのに。

「じゃあ、お休み。」

「お休み。」

パタリと締まる音に、すがりたい心が必死に叫んでいる。
叫んではいけない。
泣いてはいけない。
彼に気付かれてはいけない。

私はベットに倒れこみ、唇をかみ締めた。
私は、毒を知った。
姉ちゃんは、今居ない。
帰っても、姉ちゃんは助けてはくれないし、あの冷たい手はもう何も語らないだろう。
姉さえ知らないと言った毒を。
教えてくれなかった毒を口に含み胃に落とした。

死へのタイムリミットは、すでに秒読みに入っている。

男という毒。

そして、死ぬものは、この恋だ。




END

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